理と別れてから20年がたちました。
そして高史明さんと岡百合子さんの長男岡真史君が12歳で自らに命を絶って40年が経った日でもあります。理が高校に入学して初めて学校の図書館から借りてきた本が真史君の両親が編集した彼の詩集「僕は12歳」でした。珍しく母親に「お母さんこの本知ってる?」と話しかけてきて、しばらく話したのを思い出します。よほど心を動かされたのだと思います。
その真史君と20年後の同じ日に理が真史君のところに行くなんて本当に不思議な思いでいました。理もたくさんのメッセージを残して。今、憲法が保障する自由、民主主義、平等 平和が危ない情勢になっています。私は彼らの想いを絶対忘れないでいたいと思います。
彼が中学の卒業文集に書いた作文です。
僕、今生きています。
今、僕は生きています。だけど生きてる心地というか、生きてる感
じというのがあまりわかりません。誰にも未来は、わからない。こ
の世は偶然の世界だと感じています。何かの拍子に地球ができて、
人間が生まれ、そして僕がいる。
そして、過去には、決して戻れない。が、その過去も、みんなにで
たらめを教えれば、それが真実となり、真実がでたらめになる。人
間の世界なんて、そんなもんだ。起きたことも、誰かが、そこで嘘
を言えば、それが事実になる。自分たちが不利になるようなことは、
言いたがらない。そんなことでいいんだろうか。
去年、NHKでもモザンビークという国の内戦のことを取り上げた
番組をやっていた。モザンビークでは、政府軍とゲリラとが戦って
いて、ゲリラがたくさんの村を襲い、村の人たちを虐殺し、子供た
ちを奪い取り、ゲリラの武器にしているのだ。子供たちは、ゲリラ
に洗脳されて、人間の理性を無くし、武器として戦っている。ゲリ
ラの子供たちは政府で保護されている。専用の施設に入って人間と
して生きていけるようになったら家庭に戻ったり、家庭の無い子は
もらわれていく。だけど子供たちの心の傷は一生残ります。
僕はショックでした。僕たちの生きてる地球で、そんな事が起きて
いるとは思いもしなかった。平和というものが、どれだけ大切か、
わかったような気がした。
今、本当に平和ということが問われている。湾岸戦争で、日本人が
何をするべきか、唯-の被爆国である日本が先頭に立って、戦争を
反対しなければならないのに、アメリカにべコペコして、自衛隊を
派遣しようとしたり、たくさんのお金を、戦争のためにつぎ込んだ
りしている。戦争だからしょうがないんだで済まされるのでしょう
か。罪の無い人が殺しあい、それが許されるのか。日本は今、憲法
を変えてまで戦争をしたがっている。一度ゆるめれば、もう歯止め
はきかなくなる。
みんな平和のために立ち上がれ。
1991年 理15歳
そんな理のことを忘れず明日は同級生が記念のイベントを開いてくれます。