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奥井 理 画集

『奥井理画文集 地球人生はすばらしい』(画像クリックで拡大表示)

奥井 理の遺作
19歳の叫び
北海道青少年のための指定図書

発行日 :1998年8月20日第1版発行
著 者 :奥井 理
発行者 :島田 昭吉
発行所 :北海道新聞社
〒060-8751 札幌市中央区大通西3丁目6
出版局図書編集部 011-210-5741
出版局出版営業部 011-1-210-5744
 デザイン 玉本アートクリエイション
 印刷 凸版印刷 北海道事業部

自分をみがきたい

今の自分には、たいした思考回路がない。
だから、悩んだり、考え込んだら、
その時点で、成長が止まってしまう。
人生にはその時々の段階がある。
今のオレは考えたり、悩む状態ではない。
ただひたすら、
自分がピカピカに光るまで
みがくしかない。

けずって、けずって、けずって・・・

けずって、
けずって、
けずって
核の部分を見るんだ。
人生の生き方次第で、
オレだって芸術家になれる可能性があるすばらしい地球人生が歩めるかも知れない。
素晴らしい精神にかこまれて生きていけるかも知れない。
素晴らしい人生を闘いたいなら勉強することと体を大切にすることだ。
地球人生は
勉強と健康だけが素晴らしい物を与えてくれる。
勉強、勉強、沢山勉強した人が
素晴らしい人生を送ることになる。

セミのように走り続けろ

セミという昆虫は謎が多く、まだ分からないことが沢山あるのだそうだ。
アブラゼミはふ化後二ヶ月ほどで二令になり、二、三令の期間は、約3年。
四令の期間は約二年。三令ぐらいまでは、割に細い根のそばで生活しているが、
最後の皮脱ぎが近づくと、太い根のそばに真上に伸びる坑道を掘り、
そこの底で皮脱ぎをして、終令(五令)になる。
満五年ぶりで土に別れを告げる機会をうかがっている。
自然の本能に任せ、ただひたすら子孫繁栄のために五年も土の中で必死に耐える。
そして五年ぶりに地上に出てきて、夏の季節を彩るように命がけで鳴いている。
地上では、わずか半月しか生きられないのだという。
純粋に自分の命をまっとうするセミたちが、五年もかけて成虫になり、
そしてギラギラ光る太陽の下で命を燃やすように鳴いてくれるからこそ、
夏が素晴らしいのだと思う。

「生きる」

油彩・F100・高校3年

地球人生は本当にすばらしい。
しかしそのすばらしさも勉強することで初めて気づく、
人間のすばらしさをわかるためには勉強するしかない、
勉強すればするほど課題が出てくる限りないかぎりない世界だ。
人のすばらしさを感じる感じるためにはそれを好きになるしか他に手はない、
それにしても人間って面白い存在だと思う、
宇宙的に見ても面白いと思う。生まれてきて本当に良かった。

「命」

油彩、オブジェ・51.5×74.0cm・高校3年

現実社会という大地にへばりつけ
できるまでひたすらやる。
できるようになったら
それに絶対満足せず
死ぬまでひたすらやる

テレビと死

油彩・183.0×91.5cm
高校3年(学生美術全道展奨励賞)

死ぬということは本当は考えたくないけど本当に考えなくちゃいけない。
死はあまりにも残酷すぎる。
今まで生きていた者、筋肉と骨と脳と内臓の微妙なバランスが崩れただけで、
生は死に向かう。
魂は消え、ただの肉と骨と臓器になる。
日常、生というものが輝き過ぎて、死など予想すらもできない状態で死は
突然やってくる。