セミという昆虫は謎が多く、まだ分からないことが沢山あるのだそうだ。
アブラゼミはふ化後二ヶ月ほどで二令になり、二、三令の期間は、約3年。
四令の期間は約二年。三令ぐらいまでは、割に細い根のそばで生活しているが、
最後の皮脱ぎが近づくと、太い根のそばに真上に伸びる坑道を掘り、
そこの底で皮脱ぎをして、終令(五令)になる。
満五年ぶりで土に別れを告げる機会をうかがっている。
自然の本能に任せ、ただひたすら子孫繁栄のために五年も土の中で必死に耐える。
そして五年ぶりに地上に出てきて、夏の季節を彩るように命がけで鳴いている。
地上では、わずか半月しか生きられないのだという。
純粋に自分の命をまっとうするセミたちが、五年もかけて成虫になり、
そしてギラギラ光る太陽の下で命を燃やすように鳴いてくれるからこそ、
夏が素晴らしいのだと思う。